歯周病

 

歯周病は心臓病、脳の血管障害、糖尿病などの全身疾患と関係しています。歯周病をコントロール(進行抑制)することによって、全身疾患が改善することもわかってきました。

 

図1:
歯ぐきがひきしまって、歯と歯ぐきのすき間(ポケット)も2舒焚爾両態です。この状態を保つために歯科医師、歯科衛生士に自分にあった口腔清掃方法を習って実行していくことが大切です。通院は通常1〜2回で終わります。
図2:
歯ぐきが時々腫れたり出血(ハブラシ時)があります。ポケットは2舒幣紊良位も認められます。歯科医院で歯石除去や口腔衛生指導を受けてください。通院は通常2〜5回必要となります。
図3:
ポケットの炎症が慢性化して歯の周りの骨も溶け始めます。口臭、歯が浮いたような感じ、強く咬んだ時の痛みなどが生じる時もあります。歯科医院での歯周治療が必要となります。通院は、通常8回以上必要となります。
図4:
歯根を支ええいる周りの骨が溶けてしまい、歯がぐらつき、咬めない状態になります。歯の周りから膿が出てきたりすることもあります。歯科医院で歯周治療が必要ですが、重症の場合、歯を抜いたり、歯ぐきの手術が必要となることもあります。通院は通常12回以上必要となります。

歯周病も軽度のときは治療は痛みもなく、費用も少なく、短期間で終わります。「かかりつけ歯科医」をもって3〜6ヶ月ごとに定期的に歯周病のチェックを受けることをお勧めします。

むし歯の進行

C1:
歯の表面のエナメル質が溶け始めたむし歯の第一段階。
症状はほとんどなく、治療も比較的簡単にすみます。
C2:
エナメル質をこえて象牙質に達したむし歯の第二段階。冷水痛の症状が出現することが多いです。
治療はC1と同じですが、歯髄(歯の神経)を守る処置が必要となることも多いです。
C3:
象牙質の奥にある歯髄まで達し、強い痛みが生じます。
治療は歯髄処置をし、歯全体にかぶせものをします。
C4:
歯冠部がほとんどなく、根だけが残っている状態で、根が化膿して腫れたりするものもあります。
治療は抜歯をするか、根がしっかりしている時は根管治療をして歯全体にかぶせものをします。

 

何か新しいことを始めようとする時、”自分にはうまくできるだろうか?”と悩むことはありませんか?

 

セルフエフィカシーとは、「自分は、その行動をうまくやることができるんだ」という自信のことを言います。人は、ある行動を行えば”よい結果”が得られる思い、その行動をうまく行うことができるという自信があるときに、実際にその行動を行う可能性が高くなるといわれています。

 

たとえば、歯磨きとお口の健康の関係を考えてみます。下の図を見てください。

 

歯磨きすれば歯や歯ぐきが健康になるというのはわかっている。でも、自分はどの程度実行できるのだろう?と考えています。この時、実行できるという自信があればあるほど実際に行動する可能性が高くなるのです。

 

では、どうすれば、この自信、セルフエフィカシーが高くなるのでしょうか?行動科学の分野では、これから示す4つの要因が大きな力を持っていると考えています。

 
1 成功体験 自分自身が努力することによって目標を達成する体験を持つこと。最初は必ずクリアできるような目標を立てれば成功体験を得ることが出来ます。
2 代理体験 自分と同じように努力している人が成功している姿を見たり、聞いたりすること。「あの人に出来て、私に出来ないはずはない。」という思いが行動の原動力になります。
3 言語的説得 周囲の人から自分に対して肯定的な評価を得ること。具体的な説得力のある励ましは行動の原動力になります。歯医者さんや歯科衛生士さんからほめられれば、うれしくてもっと頑張ろうという気になりませんか。
4 生理的、感情的状態 からだの状態をよくして、ストレスや物事に対する否定的な感情を少なくさせること。新しい行動を始めれば、誰でも身体的な変化や感情の変化を体験するものです。それを前向きに考えるように心がければ、行動に対する意欲がそがれることはありません。
 

何か新しいことを始めようとする時、この4つを利用すれば、がんばれる自信がわいてくるはずです。もうひとつ、これはとても重要なことです。それは、今、自分がかなえたいと思う”よい結果”、これを自分にとってかけがえのない大切な”価値あるもの”と考えることです。

 

前回のお話で、”セルフエスティームの高い子供は自分を大切な存在であると考え、お口の健康にも気をつけている”、という研究の紹介をしました。今回のお話は、どうすれば、子供のセルフエスティームを高めることができるかということです。

 

セルフエスティームの高い子供は、自分の人生は運命や偶然によって左右されるものではなく、自分の力でコントロールできるものだと感じています。でも、それは自分が何でもできる神様のような存在だと感じているという意味ではありません。セルフエスティームの高い子供は、自分の力を過大評価することも、卑下することもありません、現実的に評価することができるのです。では、どうすれば子供のセルフエスティームを高めることができるのでしょうか。セルフエスティームは成長期の親の愛情と受容によって変化するといわれています。

 

ですから、親は

  1. 子供の現在のあり方を認め、受け入れ、信頼する。
  2. 自分で目標を設定させ、それを達成する方法を選ばせる。
  3. 目標が達成できる可能性について期待をもって接する。
ことが重要です。

 

そうすれば、目標が達成できたときに、それが運や偶然によってもたらされたものではなく、自分自身の能力や努力によるものだと気づかせることになり、セルフエスティームの向上につながるのです。



【参考文献】
  1. 遠藤辰夫ほか(編):セルフ・エスティームの心理学 自己価値の探求,ナカニシヤ出版,東京,2002.

 

セルフエスティームとは“自分を大切な存在だと思う心”のことをいいます。セルフエスティームが高い人は、問題解決能力やストレスへの対処能力、人と上手に付き合う能力に富んでいることが知られています。セルフエスティームは教育的な働きかけによって高めることができるので、現在、さまざまな試みがなされています。

 

このセルフエスティームとむし歯予防の関係を調査した研究があります。自立のスタート期である小学校5,6年生を対象とした調査なのですが、そこでは、セルフエスティームの高い子供ほど「お茶や水」などむし歯になりにくい飲み物を選んで飲んでいることが示されています。また、セルフエスティームの高い子供は「自分ががんばれば虫歯は予防できる」と考えており、「自分の親は健康に気をつけて生活している」と親の行動を高く評価する傾向にあることも示されています。

 

この調査の結果から考えられるのは、子供が親の行動を肯定的に評価できるような良好な親子関係にある家庭においては、子供が「自分は家庭内で大切な存在である。」という高いセルフエスティームが形成され、それが保健行動、保健意識を強化する可能性があるということです。

 

“互いを認め合い、大切にする心に満ちている家庭”では子供のセルフエスティームが高くなり、子供たちは知らず知らずのうちに“大切な自分の歯の健康を守ろう”という気持ちになるのです。



【参考文献】
  1. 相澤文恵ほか:歯科保健行動の促進に関わるセルフエスティームの効果の分析,口腔衛生学会雑誌,55:426,2005.。
  2. 相澤文恵:歯科衛生士臨床を支えるResearch Library [3]セルフエスティーム−自分を大切な存在だと思う心がう蝕を予防する,歯科衛生士,30(10),2006.